今回はSDGsやeco検定に絡めたコラムを書きたいと思います。
タイトルはシンプルに「環境配慮とは?」です。
以前より、環境問題というと、プラスチックは悪!みたいな流れがあり、紙などの代替品に切り替わっていたり、レジ袋が有料になったりと世間に変化がありました。
とはいえ、身の回りを見渡すとほとんどがプラスチック製品であり、もはやプラスチックのない世界は考えられません。
そこで、プラスチックを扱うメーカーでは、ここ最近環境配慮と題して、枯渇資源である『石油由来』のプラスチックから再生可能な資源である『バイオマス』プラスチックへの転換を進めております。
コスト面では、これまでの石油由来プラスチックの方が当然低いですが、バイオマスプラスチックを使うことで、環境に配慮しているといったアピールにつながり、多少材料費が上がっても許されることになります。
さて、ここで本題である『バイオマスプラスチック』を使った製品は環境を配慮しているといってよいでしょうか?
世間一般からすると『YES』です。
政府からもバイオマスプラスチックへの転換が促されており、新製品としてバイオマスプラスチック製品を出したり、2025年の大阪万博にもそのような製品が一部出展されようです。
「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」について詳細はコチラ
世界的にもバイオマスプラスチックの供給量も大幅に増加しており、様々な業界で環境配慮製品として売り出されています。
バイオマスに転換する最大のアピールポイントは、二酸化炭素の排出に関してです。
原料がバイオマス、すなわち植物由来であるため、バイオマスプラスチックが使用されて、焼却廃棄された時に二酸化炭素を排出しても、植物が生長する際に二酸化炭素を吸収するため、収支がゼロと考えられます。これは『カーボンニュートラル』と呼ばれています。
こう説明されると、再生可能な資源でかつ、二酸化炭素も増やさないと、いいところしかありませんが、視点を変えてみましょう。
植物はどのように生長するでしょうか。
水と二酸化炭素ですね。
我々、日本人は水資源には恵まれているため、水に対しての意識は薄いです。
しかし、実際は植物の生長に必要な使える『淡水』はかなり貴重な資源です。
この、貴重な水資源をバイオマスプラスチックでは多量に使用しているということになります。
今後、世界的には人口がますます増加していくとされており、それが食料問題につながっていきます。
人が食べる食料、肉、野菜、穀物、、、など淡水が無いと育てられませんので、バイオマス原料は人の食料と競合してしまうと考えられます。
したがって、バイオマス資源を推進していくことは重要ですが、一方で見方を変えれば食糧問題を引き起こしかねません。
環境配慮とは2面性を持つものだということは認識しておくべきですね。
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