こんにちは。
今回はドリップコーヒーを飲んだら必ずでてしまう「コーヒーかす」をミミズコンポストに入れて有効利用しようという試みです。
コーヒーかすが他の有機ゴミと違うところは”におい”と”土壌改善効果”です。
コーヒーかすのにおいの吸着効果
においについてですが、コーヒー豆は表面に小さな穴がたくさんあいた多孔質であり、この多孔質構造が嫌なにおいを吸着する働きをします。
ですので、野菜くずなどの生ゴミにように嫌なにおい発生しないどころか、脱臭効果があるのでコンポストとは相性の良い有機物といえます。
ただ、水分を含んでる状態だとカビがはえやすいため、乾燥させてからコンポストに投入した方が良いですが、ミミズコンポストではカビは問題になりません。
コーヒーかすの土壌改善効果
土壌改善効果ですが、UCC上島珈琲株式会社が、近畿大学がコーヒーかすの植物生育に及ぼす研究を行っており、興味深かったので紹介します。
コーヒー抽出残渣の施用による植物の生育、土壌改良の評価について報告
https://www.ucc.co.jp/company/research/future/residue.html
・研究内容
夏作(春から秋にかけて栽培)と冬作(秋から春にかけて栽培)を2周、すなわち、4期2年観察し、各期で植物の成長具合を観察されてます。
比較対照は、通常の試験区、低濃度のコーヒーかすを混ぜた試験区、そして高濃度のコーヒーかすを混ぜた試験区の3試験区です。
・結果のポイント
1年目の夏作は、どの作物種も生育が抑制され、とくに高濃度区で顕著に抑制された。
しかし、1年目の冬作の生育は抑制されなかった。
2年目の夏作と冬作では通常の試験区と比較して生育は抑制されず、むしろよく生育したとのこと。
すなわち、コーヒーかすを混ぜた試験区は1年目と2年目で働きが変わるようです。
・結果考察
1年目の夏作に植物の生長が抑制された理由は、コーヒーかすには、植物に対して生育阻害を起こす物質(カフェイン、ポリフェノール)が含まれているためと考えられます。
しかし、コーヒー豆が多孔質であることから、空気や水をカビ、細菌などの微生物などに供給しやすい環境であったものと考えられます。
微生物によってカフェイン、ポリフェノールなどが少しずつ分解し、コーヒーかすに含まれるタンパク質等も分解され、肥料の働きをする窒素に変わったとのこと。
自作ミミズコンポスト実験
前置きが長くなりましたが、自分のミミズコンポストにコーヒーかすを入れて観察してみます。
においは気になりませんし、基本放置なので、問題ありません。
コーヒフィールターも無漂白の天然パルプ100%のものを使ってますので、そのままコンポストに投入しています。
まとめ
ガーデニングなどでコーヒーかすを利用する場合、除草剤としては良いかもしれませんが、植物の生長を抑制するおそれがありますのでご注意ください。
においの吸着と分解が早く進んで窒素系の肥料になるためコンポストとは相性が良いです。
ミミズにも特に害はないので生ゴミと一緒に入れておくだけでOKです。
コーヒーフィルターも無漂白でパルプ100%のものを使用すれば、コーヒーを飲み終わった後そのままコンポストに入れるだけで済みますので非常に便利です。
お試しください!
コメント