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Sulapac®社の木質系生分解性プラスチックの化粧品容器への適用

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    EU competitor benchmarking of cosmetic primary packaging in rigid jar form. Case company: Sulapac.

    コチラは英語の論文ですが、自然環境中で分解する生分解性プラスチックを製造しているメーカーであるSulapac Ltdについて、まとめました。

    Sulapac Ltdとはどんな企業?

    Sulapac Ltdはフィンランドの企業で、世界の廃棄プラスチック問題の解決を目指しています

    同社の製品は、木材チップと生分解性プラスチックをブレンドした100%生分解可能な包装材「Sulapac® material」というものがあります。

    この製品のターゲットとしている分野は、現在は化粧品の一次包装向けですが、将来的には他のセグメントも視野に入れているとのことです。

    化粧品の一次包装の特徴

    一次包装とは、化粧品に直接触れる包装のことで、消費者が製品を使用後に捨てる最後の包装です。

    例えば、洗顔料、クリーム、ローションなどを直接入れる容器など。

    化粧品の一次包装に「Sulapac® material」を使う場合は、化粧品の内容製剤と接触するため、各種接液評価・安全性評価が必要です。

    化粧品に木材が混ざったり、変色したら容器として成り立ちません。

    一次包装容器の主な目的は、商品を保護することですが、商品に関する必要な情報を表示することも求められています。

    製品における生分解性プラスチックとは

    生分解性の材料は、自然環境下において、1~2年という短期間で完全に分解することが不可欠です。

    石油由来の原料から再生可能な原料への移行に焦点を当てた製品は、現在人気を集めております。

    ビジネスにおいて、持続可能性の重視に対する消費者の影響力の高まりは、企業が製品やビジネスモデルの持続可能性の向上に率先して取り組むための原動力となっています。

    化粧品の成分にも、持続可能な資源から作られた原材料が含まれていることも多々あります。

    また、化粧品のパッケージの大部分は、廃棄される前にリサイクルされるため、多くの化粧品メーカーがリサイクルプログラムを開始しました。

    しかしながら、パッケージの種類によっては工業用接着剤で接着されていたり、スプレーなどには金属バネが入っていたりなど、消費者がリサイクルのためにそれらを分離することが難しい製品もあります。

    このようなパッケージの最終的な行き先は、リサイクルできないゴミ箱であり、その後、どこかの海に捨てられるかもしれません。

    化粧品のパッケージには、洗練された高級感が求められるため、使用後の洗浄や、パッケージ全体を構成するさまざまな素材の分離に課題があります。

    Sulapac® materialのSWOT分析

    さて、話を戻します。

    本論文では木質系材料であるSulapac® materialのSWOT分析がされておりましたので紹介します。

    Strength(強み)

    木材は、容器メーカーに対して、新鮮でユニークなデザインの化粧品容器を作る良い提案を与えます。

    “染色、漆塗り、ニス塗り、光沢、質感、ホットスタンプ、シルクスクリーン、パッド印刷、レーザーマーキングはすべて、木製品を作る際のオプションにもなるようです”(SGP Packaging 2018)。

    自然をアピールできる、木製パッケージは独自性を提供します。また、木材は高い機械的耐久性と軽量性を提供します。

    手触りは温かく、心地よいものです。

    木材はリサイクル可能です。リサイクルされた木材は水分が少ないため、より耐久性があるとのことです。(All Recycling Facts 2015)

    Weaknesses(弱み)

    木材の最大の欠点は、製品内容物との相性と安定性です。

    化粧品の大半は水性であるため、吸湿性の特性から、木材は化粧品の主要なパッケージングとして選択することはできません。

    さらに、木の臭いを移します(Politech Cosmetic Packaging 2018)。

    Opportunities

    木材は、化粧品業界においては珍しいため、買い手を引きつける魅力があります。(Premium Beauty News 2014)。

    ほとんど全ての製品がプラスチックやガラスで包装されている美容分野では、木のパッケージは本当に目立ち、特に自然派化粧品分野のブランドを代弁しています。

    木製のパッケージは、化粧品ブランドが買い手に持続可能なビジネスというメッセージを伝え、他の競争相手と差別化するのに役立っています。

    環境に優しいパッケージングの増加傾向は、竹と木で作られた化粧品ジャーに第二の息吹を与えています(MJS Packaging 2018)。

    Threats

    木材パッケージの需要が高まれば、木は育つのに時間がかかるので、資源が足りなくなる可能性があります。

    また、木材関連産業は木を切り倒していると批判されており、買い手が木材パッケージに対するカウンタートレンドを作ることもできます(Eastar Cosmetic Packaging 2018).

    ○まとめ


    Sulapac Ltdは、フィンランドの企業で、100%生分解可能な包装材「Sulapac® material」を製造しています。同社の製品は、木材チップと生分解性プラスチックをブレンドして作られており、主に化粧品の一次包装に利用されています。この製品の強みとして、容器メーカーに新鮮でユニークなデザインの化粧品容器を作る提案ができることが挙げられています。また、消費者の持続可能性に対する関心の高まりにより、製品やビジネスモデルの持続可能性の向上に取り組むことが求められており、Sulapac® materialはこのニーズに対応する製品として注目されています。

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