CSR検定対策~NPO/NGOのこれまでと役割編~

CSR検定

こんにちは。

今回はNPO/NGOのこれまでと役割についてです。

NGOとは、Non-Governmental Organizationsの頭文字をとって「非政府組織」

NPOは、Non-Profit Organizationの頭文字をとって「非営利組織」を意味しております。

ここで、外務省のHPからNGO/NPOの違いを見てみると、次のような記述があります。

どちらも市民が主体となり,営利を目的とせずに,課題を解決したり,よりよい社会をつくる活動を行う団体のことを指します。日本では,海外の課題に取り組む活動を行う団体をNGO,国内の課題に対して活動する団体をNPOと呼ぶ傾向にあるようです。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/kyoumi/faq01.html

すなわち、地球規模の課題解決に取り組む団体を「NGO」、国内で社会的活動をする,比較的小さい団体を「NPO」と呼ぶ区別があるようですが、CSR検定ではNGO/NPOの役割としては差のないものとして扱われております。

今回は社会的活動する団体であるNGO/NPOに関する法律や、活動役割について説明します。

 

NGO/NPOのこれまで

特定非営利活動促進法とは、1995年の阪神・淡路大震災におけるボランティアの活動をきっかけとして、NPO団体の促進を図るため定められた法律です。

もともとは、環境の保全、災害救援等12項目ある特定非営利活動を行うことを目的としております。

その後、NPO法の改正により20項目に拡大されました。

NPOの活動範囲は国内に限定されていないのもポイントです!

令和2年12月2日に「特定非営利活動促進法の一部を改正する法律」が成立し、令和3年6月9日に施行されております。

① 設立の迅速化

②個人情報保護の強化

③ 事務負担の軽減

といった、改善を目的に改正されております。

NGO/NPOの役割

続いて、NGO/NPOの活動役割についてです。

NGO/NPOは社会的弱者と呼ばれる人たちや、声なきステークホルダーの声を代弁するアドボカシー活動が重要な役割です。

社会的弱者とは、ISO26000の定義では次のように述べられている。

差別を受けるベースとなりうる,又は社会的,経済的,文化的,政治的若しくは健康面において不利な立場におかれやすい一つ又は複数の特徴をもつ個人のグループであり・・・

http://kikakurui.com/z26/Z26000-2012-01.html

例示すると、人種,性別、年齢、障害,移民,先住民族、政治的所属,及び、HIV/エイズへの感染の有無などの健康状態も含まれる。

利益追求が目的である企業にとっては、貧困層などを対象としたソーシャルビジネスなどは不得手とされているため、このような社会的課題の解決を目的とするビジネスを展開する場合は、専門性の高いNGO/NPOがパートナーになることで、ビジネスを成功へと導く手助けになります。

また、企業が違法行為、不適切行為などを行っていないか監視する「ウォッチドッグ」としての役割があります。

企業は不適切行為を指摘されてしまった場合、企業評判が毀損され、売り上げの低下、株価の下落などのような事態に陥る可能性があります。

その一つの例として、ブレンドスパー事件が有名です。

ブレント・スパー事件

ブレント・スパー事件とは、ロイヤルダッチ・シェル社の用途廃止となった貯油タンク施設「ブレント・スパー」の廃棄方法を巡る事件です。

シェル社は環境面やコスト面を配慮し、海洋投棄を判断しましたが、国際NGOのグリーンピースが反対しました。

この反対運動は市民のボイコット運動に発展し、ブレント・スパーを陸上で解体することになりました。

グリーンピースとは、オランダ・アムステルダムに本部を置く環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。

グリーンピースは企業や政府からの寄付は受けず、世界各国の市民の寄付により大きな活動資金を得ています。

ブレント・スパーの教訓としてNGO/NPOをはじめとするステークホルダーとの対話の重要性

そして、貯油タンクの海洋投棄は決して違法ではなかったですが、環境破壊の可能性があるとしたソフトローにより反対されることとなりました。

NPO/NGOの主張に正当性があれば、多くのステークホルダーの支持を得ることができ、社会的課題を解決することが可能となります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました