こんにちは。
今回はミミズ糞に含まれる栄養素について、糞中の微生物や糖、アミノ酸量を調査した論文がありましたので紹介します。
ミミズは有機物である生ゴミなどを食べ、その生ゴミがミミズの腸内を通ることにより、微生物数が増加することが知られています。
そして、ミミズが通った土壌中が豊かになり、植物の成長を促進させることから、ミミズは、土壌の栄養循環に不可欠な存在であるといえます。
また、ミミズの、おかげで改良された土壌は、多くの生態系を安定させる役割を担っています。
糞中の微生物数 だけでなく、糖やアミノ酸に ついて、こちらの論文では測定を行なっていますので見てみましょう。
ミミズ糞土中の微生物・糖・アミノ酸の論文はこちら。
ミミズ糞中の菌の増加
稲ワラを餌として飼育したミミズ糞中の菌数測定の結果がまとめられています。
糞中の菌数は菌の種類によっては 飼育対照土壌より多いという結果に。
糸状菌数は顕著な増加が認められなかったものの、細菌・放線菌類は顕著に増加。
土壌中に排泄された糞中の微生物がその周辺の土壌微生物にどのような影響があるかは,はっきりわかっていませんが、微生物が増えることで有機物の分解を早める効果が期待されます。
自然環境中では、ミミズが土中を移動した際、土壌微生物を拡散したり、ミミズに摂食された有機物は消化の過程で、微生物の多い糞として排泄され、植物の生長を支える栄養源になります。
ミミズ糞中の糖の増加
ミミズ糞より検出された糖類はアラビノ ース 、キシロース、グルコースなど。
対照土壌からも同種の糖類は検出されておりますが 、定量的には糞中の糖類の方が多く検出されているとのことです。
その理由としては、土壌中では分解が遅いと考られる稲わらなどの植物遺体がミミズの摂食活動 と体内消化の過程で比較的短期間に分解して排泄された結果と推察している。
ミミズ糞中のアミノ酸の増加
糞中のアミノ酸量はミミズに与える餌の種類によって異なります。
餌を与えなかった対照土壌の糞中のアミノ酸は 3.79mg /g 糞土に対して
牛糞堆肥を餌とした糞中のアミノ酸は 11.631 mg /g
稲わらを餌とした糞中のアミノ酸は 8.204mg /g
落葉枝を餌とした糞中のアミノ酸は 6.811mg /g
このような結果になっています。
ミミズはタンパ ク質含量の高い有機物を好み、バイオマスを増大させるとともに、体内消化によって、窒素化合物は可容化して排泄 されるためと考えられている。
まとめ
ミミズの摂食排糞活動により、有機物を分解し、微生物を増やしたり、植物の栄養源を作る働きをしています。
ミミズに与える餌により、コンポスト中のミミズ糞中の成分も変わることため、いろいろなものを与えることで、豊かな肥料を作れるかもしれません。
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