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生分解性プラスチック~PLA(polylactic acid)構造特徴入門編~

バイオプラ
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    こんにちは。

    今回は生分解性プラスチックの中でも色々なものに製品化されておりますPLA(ポリ乳酸)の特徴的な構造について解説します。

    PLAの構造に関して、構成単位の乳酸に不斉炭素原子があり、鏡像異性体であるL体とD体の2種類が存在します。

    このL体とD体の存在がPLAの結晶化度や耐熱性などの物性に影響を与えることがあります。

    鏡像異性体について

    ここで、L体のみを重合させたものをPLLA、D体のみを重合させたものPDLAとよびます。

    まず、不斉炭素原子や鏡像異性体について説明します。

    不斉炭素原子とは結合している原子、原子団が4つとも全て異なっている炭素原子のことです。

    上図を見ていただければわかる通り、ポリ乳酸の場合、Cの周りにーH,ーCH3,ーOH,ーCOOHというようにバラバラななので、中心にある炭素が不斉炭素原子ということになります。

    次に、鏡像異性体とは不斉炭素原子に対して互いに鏡像の関係にある異性体です。鏡に映したものなので同一の分子式を持ちますが、互いに重なり合わない関係を持ちます。

    よく、右手と左手の関係と言われることがあります。

    ちなみに、鏡像異性体にある2種類の分子が等量存在する状態のことをラセミ体と呼ばれます。

    しかしながら、現在市販されている合成高分子化合物としてのPLAはPLLAとPDLAがランダム共重合しています。

    基本的には合成過程においてPLLAが合成されますが、乳酸菌による何が発酵生成過程やラクチドの合成過程、重合過程などでごく一部がPDLAになってしまいます。

    この、PLLA,PDLAの共重合の比率によって物性に影響を与えることとなります。

    例えば、PLLAに対してPDLAの割合が増えると結晶化速度や結晶化度、融点などが低下します。

    それに伴って、製品としての耐熱性や成形加工性が劣るといった課題が挙がってきます。

    ステレオコンプレックスPLA

    PLLAとPDLAを混合することで得られるのがステレオコンプレックス型PLAです。

    ステレオコンプレックス型PLAとは、共重合している1本の鎖中にPLLAとPDLAが混在しているのではなく、PLLA鎖とPDLA鎖が交互に並んで規則的な構造をとっている状態です。

    ステレオコンプレックスにするとPLLAの高分子鎖とPDLAの高分子鎖ががっちり噛み合うことにより、PLA単体は融点が約180℃に対して、ステレオコンプレックス化すると230℃まで上昇し、耐熱性が向上します。

    今回はPLAの特徴的な構造や物性について解説しました。

    化学の基礎ではありますが、物性についてまではなかなか勉強する機会はないと思いますので、覚えていただければと思います。

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