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ここでは、バイオプラスチックとは何か?どのような種類があるのかを解説し、2020年現在の世界のバイオプラスチックの供給量についてまとめています。
バイオプラスチックとは?
バイオプラスチックとは、植物や微生物など、生物を使って生産する「バイオマスプラスチック」と土壌や海洋など自然環境下で分解が促進する「生分解性プラスチック」の総称です。
もちろん、バイオマスであり生分解性プラスチックに分類されるものも存在します。
それでは、代表的なバイオプラスチックについて、詳しくみていきましょう。
バイオPE(バイオポリエチレン)
バイオPEはサトウキビを原料に製造されます。
まず、サトウキビの搾り汁から砂糖を取り出した後の搾りかす(廃糖蜜)を発酵させて、バイオエタノールをつくります。
得られたバイオエタノールを脱水縮合してバイオエチレンを製造し、エチレン重合することでバイオPEがつくられます。
通常の石油由来のPEと比較すると、性能は基本的には同じですが、やや密度にばらつきがあるとされております。
レジ袋、食品容器包装、自動車部材、ごみ袋、その他日用品など、広く使用されております。
バイオPET
PET(ポリエチレンテレフタレート)は、エチレングリコールとテレフタル酸を原料として生産されているPETボトルでおなじみのプラスチックです。
バイオPEは100%バイオマス由来原料から生産されますが、バイオPETは部分的にバイオマス原料を用いて生産されます。
というのも、バイオPETは、サトウキビの搾りかす(廃糖蜜)から得られたバイオマス由来のモノエチレングリコール(MEG)と石化由来のテレフタル酸を脱水縮合して製造されているためです。
100%バイオマス由来のバイオPEとは異なり、バイオPETの最大バイオベース度はバイオマス由来のモノエチレングリコール(MEG)の重量割合から30%となります。
現在、バイオマス由来のテレフタル酸の開発が進められており、実用化されれば、バイオPETの最大バイオベース度は100%となります。
用途としては、飲料用ボトル、各種フィルム、繊維・衣類、自動車内装材等に使用されております。
ポリ乳酸(PLA)
生分解性プラスチックの中でも、もっとも有名なポリ乳酸について説明します。
かつては注目されながらもプラスチック成形性の面やコスト面でなかなか実用化されませんでしたが、最近の環境問題対策の流れから、再び注目を集めています。
ポリ乳酸の特徴は、自然環境中で微生物の働きにより完全分解する「生分解性」をもつことです。
ポリ乳酸はトウモロコシやサトウキビから抽出した糖を原料に生産されるため、「バイオマスプラスチック」でもあります。
生分解性プラスチックについてはコチラに、PLAの構造特徴についてはコチラにもまとめております。
ポリブチレンサクシネート(PBS)
ポリ乳酸同様、PBS(ポリブチレンサクシネート)もバイオマスかつ生分解性プラスチックです。
バイオマス由来原料のコハク酸と石化由来の1,4-ブタンジオール(1,4-BDO)の共重合により製造されております。
バイオマス由来のコハク酸を用いた場合、バイオベース度は約60%となります。
ただし、現在、バイオマス由来の1,4-BDOの市場投入が始まっており、これを原料とした場合、バイオベース度は100%となります。
バイオプラスチック供給量
それでは、2020年現在の世界のバイオプラスチックの供給量はこのようになっております。
バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックのどちらが優れているということはなく、状況により使い分けることが重要であります。
2021年1月には、プラスチック資源循環戦略の実現にむけ、「バイオプラスチック導入ロードマップ」を環境省、経済産業省、農林水産省、文部科学省が合同で策定されたこともあり、今後もバイオプラスチックの需要が高まることが考えられます。
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