生分解性プラスチックコンポスト分解実験 ~分解速度と結晶構造の関係~

バイオプラ

こんにちは。

今回は生分解性プラスチックのコンポストでの分解実験として、自家製ミミズコンポストを利用し、実際に「生分解性プラチック」と呼ばれているものが本当に分解するのか実験するといった試みの途中結果を報告します。

それでは、コンポスト中に5か月間埋めていたPHBH製ストローはどうなったでしょうか。

PHBHについてや、分解実験前のモノについてはコチラをご参照ください。

生分解性プラスチックの分解状況

写真の通り、かなりボロボロになっているように見えます。

強度がなくなり、割けて折れてしまいました。

強度が低下するということは、加水分解や微生物の消化酵素などにより高分子鎖が切れたということを意味します。

さて、もう少し詳しく生分解性プラスチックの分解について説明します。

分解速度と結晶構造の関係

プラスチックには結晶構造を持つものと、持たないものがありそれぞれ、結晶性高分子と非結晶性高分子と呼ばれます。

PLAの場合は成形条件により結晶性を待たせないようにできます。

プラスチックの結晶とは、プラスチック中の高分子鎖がきれいに折りたたまれたような構造をとり、エネルギー的に安定した状態といえます。

例えば、プラスチックペレットからストローを成形する際の溶融温度や冷却時間、延伸・配向なといったは成形条件により結晶状態が変化します。

そして、生分解の速度においては結晶構造をとっているか否か、言い換えると、結晶化度(高分子中の結晶構造が占める割合)が分解速度に影響を与えます。

その理由としては、分解速度は非晶領域の方が早いため、結晶化度が高いと分解しにくいということになります。

また、結晶領域においても結晶状態が悪かったり、結晶サイズが小さいほうが分解が早くなります。

生分解性プラスチックの分解速度については、当然原料や添加物の差によって変化しますが、同一原料であっても成形条件の違いによる結晶構造の状態によっても影響します。

生分解性プラスチックを扱う上では気に留めておいた方が良いかもしれません。

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