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バーミコンポスト、バーミティーおよび化学肥料のトウモロコシに対する影響

ミミズコンポスト
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    今回は、トルコで実施された肥料とトウモロコシの生育に関する実験についてこちらの論文「Effects of Vermicompost, Vermi-tea and Chemical Fertilizer on Morpho-physiological Characteristics of Maize (Zea mays L.) in Suleymanpasa District, Tekirdag of Turkey」を紹介します。

    これまで、バーミコンポストの利用により、ソルガム、イネなどのさまざまな作物の成長と収量の改善に大きな影響を与えるという研究結果が報告されています。 

    そして、本研究ではトウモロコシを対象としており同様の結果が得られたとの報告です

    それでは、詳しく見ていきましょう。

    〇実験

    次の4 つの異なる肥料でトウモロコシに適用した場合、どのような差が表れたかが比較されています。

    ・F0: コントロール (施肥なし)

    ・Fvc: バーミコンポスト @ 5 トン/ha

    ・Fvt: バーミティー @ 6 %;

    ・Fc: 化学肥料 (N および P) @ 120-100 kg/ha

    バーミコンポストは、牛糞から作られました。

    バーミティーは、500gのバーミコンポストを2.0Lの蒸留水に溶かして、2日間保存して調製されました。

    その後、ふるい布を使用してバーミティーを抽出し、葉面散布しました。

    種まきから 45 日後に植物を収穫し、さまざまな形態 (根の長さ、シュートの長さ、根の生重量、シュートの生重量、根の乾燥重量、シュートの乾燥重量、葉の数、葉の長さ、 幹の太さ) および生理学的パラメーターが評価されました。

    〇結果と考察

    バーミコンポストと化学肥料はコントロールと比較してトウモロコシの形態及び、生理学的パラメーターのすべてを有意に増加させ、特に6%バーミティーの葉面散布はトウモロコシに最大の効果を示しました。

    バーミコンポストの適用は、植物の生長におけるパラメーターを改善して、7-14 日の作物の成熟段階を高めます。 

    バーミコンポストに含まれるフミン酸は、トウモロコシの根の拡大と側根の発達を著しく増加させました。

    また、根毛の増殖を促進し、根の成長を刺激することにより、植物による栄養素の取り込みを増加させます。

    リンと多くの微量栄養素、ホルモン、酵素を含み、植物の成長と収量を促進し、植物の病気や害虫に対する抵抗力を高めます。

    バーミティーもまた、植物の活力、栄養価、収穫量の改善に影響を与えます。

    それでは、トウモロコシの作物の形態および生理学に対するバーミコンポストと化学肥料の影響をそれぞれのパラメーターを比較してみましょう。

    1 発芽率

    バーミコンポストは、他の処理と比較して、最大の種子の発芽 (92.33%)を達成しました。

    一方、化学肥料は平均的な、バーミティーは低い種子発芽を示しました。

    無肥料条件下では、トウモロコシの発芽が有意に減少したということから、バーミコンポストが種子の発芽とさまざまな野菜作物の収量の増加に大きな影響を与えることを証明しています。

    2.シュートの長さ (cm)

    シュートとは「茎とその上にできる多数の葉からなる単位」です。

    バーミティーの葉面散布は、バーミコンポストおよび化学肥料の葉面散布よりも長いシュートが観察されました。

    栄養素の蓄積に影響を与え、新芽の成長を促進する「腐植物質」を含む堆肥の有機物含有量を増加させることを意味しています。

    3.根の長さ (cm)

    トウモロコシの根の長さはバーミティーによって有意に強化されました。

    植物の成長を刺激し、根の発達を促進する腐植物質をさらに強化します。

    4 根生重量 (g)

    根の生重量はコントロールよりも、バーミコンポスト、バーミティー、および化学肥料の施用で有意に増加したことを示しました。

    根の生重に対する最も高い反応は、バーミコンポストと化学肥料よりもバーミティーの施用で観察され、これは過去の研究の結果と一致しています。

    バーミコンポストを土壌に適用すると、土壌の微生物活動が増加し、土壌の健康が改善され、根の成長が促進されます。

    この液状のバーミティーには、アミラーゼ、プロテアーゼ、ホスファターゼなど、植物の成長に有益な多くの酵素が含まれており、収量が増加すると考えられます。

    バーミコンポストの適用により、トウモロコシの収量パラメーターが増加しました。

    5 シュート生重量 (g)

    バーミコンポスト、および化学肥料と比較して、バーミティーの適用でより多くの新芽の生重量が検出されました。

    これは、バーミティーに含まれる成長物質が植物の栄養と成長を促進するためです。

    バーミーティーには、窒素 (N)、カリウム (K)、リン (P)、カルシウム (Ca)、および植物の成長を促進し、根の形成、成長、および土壌有機物の開始に寄与する根粒菌が含まれています。

    6 根の乾燥重量 (g)

    トウモロコシの根の乾燥重量は、バーミコンポストとバーミティーの適用により、コントロールよりも大幅に改善されました。

    バーミティーは、他のどの処理よりも根の乾燥重量を増加させました。 バーミティーが土壌に適用されると、根に浸透し、植物や根圏の微生物が使用する栄養素を根に供給します。

    また、植物の成長も改善されました。 土壌に対するミミズ堆肥の最も好ましい効果は、土壌の有機物の上昇であり、これが土壌の細孔空間の改善に寄与し、根の密度と根の質量を増加させたことが考えられます。

    7. シュート乾燥重量 (g)

    バーミコンポストとバーミティーを施用した際に最高のシュート乾燥重量が確認されました。

    8 葉の数と葉の長さ (cm)

    コントロールと比較して、バーミコンポスト、化学肥料、バーミティーの添加でトウモロコシの葉数と葉長に有意な差が見られました。

    しかし、バーミティーを散布した場所では、葉の数と葉の長さがより多く観察されました。

    9 幹周りと相対含水率 (%)

    最高の茎囲(cm)と相対含水量 (RWC) は、バーミティーを適用したトウモロコシ植物で最大であり、その後に固形ミミズ堆肥と化学肥料が続きました。

    相対含有量の減少は干ばつ状態の症状を示し、この RWC の減少は植物の活力の低下と関連しています。

    10 クロロフィル含有量(SPAD値)とMSI(%)

    コントロールおよび他の処理と比較して、バーミティー処理で最も高いクロロフィル含有量が観察されました。

    バーミコンポストとバーミティーの葉面施用は、化学肥料施用よりも MSI の大幅な増加を引き起こしました。

    〇結論と推奨事項

    バーミコンポストと化学肥料は、コントロールと比較して、種子の発芽を除く、トウモロコシのすべてのパラメータを大幅に増加させましたが、6%バーミティー処理の葉面散布は、トウモロコシの最大の形態学的および生理学的性能を示しました。

    以上より、より良い作物生産のためには、バーミティーの使用が農家に推奨されています。

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