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トマトの生長におけるミミズ堆肥、バーミティーおよび化学肥料の影響

ミミズコンポスト
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    今回はトルコで実施されたこちらの論文「Effects of vermicompost, vermi-tea and chemical fertilizer on morpho-physiological characteristics of tomato (Solanum lycopersicum) in Suleymanpasa District」を紹介します。

    実験内容は、ミミズ堆肥、 バーミティー及び化学肥料それぞれを与え、トマトの生長にどのような影響が出るかを調査しています。

    トマトは播種後 45 日で収穫され、評価はさまざまな形態 (葉の長さ、草丈、葉の幅、葉の数、開花に要した日数、植物あたりの主枝、茎の直径、果実の直径、果実の数) に基づいて行われています。

    〇ミミズ堆肥・バーミティーとは

    ミミズ堆肥とは、廃棄有機物に微生物やミミズが作用して作られる”堆肥”のことです。

    ミミズ堆肥では土壌の気孔率、水分保持力、通気性が向上することで作物はよく育ち、収穫量が増えます。  

    バーミティーとは、ミミズ堆肥の水抽出物のことで、栄養素、ミネラル、酵素、溶解した有機栄養素、およびホルモンが豊富です。

    バーミティーを植物に与えることで、作物の品質、収量、植物の活力が改善されたなどの報告があります。

    〇評価項目

    トマトのさまざまな側面に関する次のデータが収集されました。

    1) 葉の長さ(cm)

    2)葉幅 (cm)

    3) 葉の数

    4) 草丈(cm)

    5) 開花開始までの日数

    6)植物ごとの一次枝

    7) 茎の直径 (cm)

    8)果実の直径 (cm)

    9)1株当たりの果実数

    10) 葉柄の長さ (cm)

    11) 植物の相対水分含有量

    〇結果と考察

    それぞれの結果についてまとめました。

    1)葉の長さ (cm)

    バーミティーを葉面散布した場合は最大、化学肥料を適用した場合は最小、そして、ミミズ堆肥を適用した場合は中程度の葉の長さの結果が得られました。

    別研究で実施された大根に関する調査研究でも、同様の調査結果が観察されていました。

    2)葉幅(cm)

    バーミティーを葉面散布した場所では最大、化学肥料を散布した場所では最小、ミミズ堆肥を散布した場所では中程度の葉幅の結果が得られました。

    3)葉の数

    バーミティーで処理した場合、葉の最大数となりました。

    一方で、最小の葉は、追成長促進成分が添加されていない対照となり、ミミズ堆肥で処理された場合、バーミティー処理の次により多くの葉を作りました.

    4)草丈(cm)

    バーミティーを葉面散布すると草丈が高くなり、化成肥料を散布すると草丈が低くなり、ミミズ堆肥を散布すると中程度の結果が得られました。

    別実験にて実施された綿の研究でも同様の結果が観察されております。

    トマトのこのような葉に関する結果は、ミミズ堆肥などのバイオ肥料による多量栄養素と微量栄養素の適用によってプラスの影響を受けました。

    すなわち、植物のクロロフィル形成、光合成活性、窒素代謝、およびオーキシン含有量を増加させる可能性があります。

    5)開花開始までの日数

    トマトの収穫量を最大にするためには、開花日が重要です。

    その理由は、開花が早ければ早いほど、作物が得る時間が長くなり、収穫回数が増えるからです。

    バーミティーを葉面散布した場合は開花日数が少なく、化成肥料を施した場合は開花日数が長く、ミミズ堆肥を施した場合は中程度の結果が得られました

    これも、別実験にて実施された綿の研究でも同様の結果が観察されており、そこでは最大の収量属性が観察されました。

    よって、ミミズ堆肥などのバイオ肥料による多量栄養素と微量栄養素の適用によってプラスの影響を受けたといえます。

    6)植物ごとの一次枝

    植物あたりの一次枝の最大数はバーミティーが葉面散布された場所で観察され、最小の一次枝は化学肥料が適用された場所で観察され、ミミズ堆肥が適用された場所では中程度の結果が得られました。

    7) 茎の直径 (cm)

    バーミティーが葉面散布された場所では最大の茎径が観察され、化学肥料が適用された場所では最小の茎径が観察され、ミミズ堆肥が適用された場所では中程度の結果が得られました。 同様の発見は、トマトを使った別研究でも観察されていました。

    8)果実の直径 (cm)

    バーミティーを葉面散布した場合は最大果実径が観察され、化学肥料を適用した場合は最小果実径が観察され、ミミズ堆肥を適用した場合は中程度の結果が得られました。 別実験にて実施された大根の研究でも同様の結果が観察され、最大収量が観察されました。

    9)1株当たりの果実数

    バーミティーの葉面散布では1株あたりの果実数が最大となり、化学肥料の散布では1株あたりの果実数が最少、バーミコンポストの散布では中程度の結果が得られた。同様の結果は、別実験によるトマトの研究でも観察され、1株当たりの果実数は最大であった。

    バーミティーには、総窒素0.92%、総P2O5 0.74%、総K2O 0.85%が含まれており、植物の成長と収量、病気や害虫の抑制に有効である。

    また、ビタミン、アミノ酸、窒素、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅などの栄養素、オーキシンやサイトカイニンなどの成長調節物質が含まれている。

    10) 葉柄の長さ (cm)

    葉柄とは、葉の一部で、茎・枝につながる柄(え)のような所です。

    バーミティーを葉面散布した場所では最大の葉柄長が観察され、化学肥料を散布した場所では最小の葉柄長が観察され、ミミズ堆肥を散布した場所では中等度の結果が得られました。

    この葉柄の長さについても、別実験で実施されたさまざまな作物の栄養生長に関する研究作業でも、同様の発見が観察されていました。

    11) 植物の相対水分含有量

    水の存在は、代謝プロセスと光合成にとって重要です。

    バーミティーの効果が相対的な水分含有量の吸収に対して最大であることが観察されています。

    相対含水量の測定値は、無肥料の作物で最小でした。

    大根の研究でも同様の結果が観察されており、そこでは最大収量と相対的な水分含有量が観察されています。

    別の研究では、相対含水量が増加すると生産量が増加し、含水量が減少すると収量が減少しました。

    結論

    ミミズ肥料と化学肥料は、対照と比較して、開花日を除くトマトの上記のすべてのパラメータを大幅に増加させましたが、5%バーミティー処理の葉面散布は、トマトの最大の形態学的および生理学的性能を示しました。

    そのため、より良い作物生産のために、バーミティーの使用が農家に推奨されています。

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