こんにちは。
今回は、国内コンビニのストローで採用されております植物由来の生分解性プラスチック「PHBH」について、解説します。
PHBHとは、コ ー ン油,大豆油などの植物油を材料にして、微生物が菌体内で作るプラスチックです。
化学構造的には、PHBHは、R-3-ヒドロキシブタン酸(3HB)とR-3-ヒドロキシヘキサン酸(3HH)から成る共重合ポリエステルです。
このように、PHBHは微生物に糖や植物油を食べさせて作られるため、バイオマスプラスチックであり、自然環境中で水や二酸化炭素などに分解される、生分解性プラスチックです。
ここで、言葉の意味を整理しますと、バイオマスプラスチックとは「生物由来の資源を原料にしたプラスチック」のことで、生分解性プラスチックとは「使用後、環境に無害な物質に分解されるプラスチック」です。
そして、生産されるPHBHのヒドロキシヘキサン酸(3HH)組成はエサとして用いた植物油種によって変化するといった論文があります。
PHBHのヒドロキシヘキサン酸(3HH)組成の違いによりPHBHの柔軟性といった物性が変化します。
例えば、コーン油や、大豆油を利用した場合、3HH組成は低く(硬くて脆いPHBH)なり、ヤシ油の場合は3HH組成が高く(柔軟なPHBH)なる物性を示すとのことです。
このように、エサとする植物油の種類を変えることにより、硬さを調整できるようです。
詳細はこちらの論文をご参照ください。
また、PHBHの生分解性については、嫌気的条件下、好気的条件下、コンポスト化条件下のいずれにおいても優れた生分解性を有しています。
嫌気的とは酸素がほとんどない状態、好気的とは、酸素が十分にある状態、コンポストとは堆肥のことです。
このように、PHBHは様々な状態下で分解されるといわれております。
それでは、実際に某コンビニで手に入れたストローを自家製コンポストで生分解実験を行いました。
下の写真はコンポストに入れるのストローです。
こちらが3週間後のストローです。
少し土の色がついていますが、先の方は欠けたり、割けたりしています。
強度が落ちているような気がします。
家庭用のコンポストでも、ある程度時間をかければ分解できそうな感じがします。
引き続き、分解実験を続けていこうと思います。
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