こんにちは。
ここでは、CSR検定でよく問われる言葉の中から「デューデリジェンス」と「ステークホルダーエンゲージメント」という言葉について、ISO26000ではどのように記述されているか確認していきます。
本題ではございませんが、デューデリジェンス(due diligence)とは、Dueが「当然の、正当の、相応の」、Diligenceは「注意,精励,勤勉」という意味で、直訳すると「当然に実施すべき注意義務および努力」という意味になります。
投資分野などにも用いられ、投資対象となる企業や投資先の資産の価値・リスクなどを詳細に調査・分析することを意味します。
続いて、ステークホルダーエンゲージメント(stakeholder engagement)とは、stakeholderが「利害関係者」、engagementは「約束、契約」という意味で、直訳すると「利害関係者の企業に対する約束・忠誠心」ということになります。
CSR検定においては、デューデリジェンスとは投資ではなく、人権の分野において企業が人権侵害を行っていないか精査するときに実施すること、ステークホルダーエンゲージメントは、企業と関わり合いをもつ様々な利害関係者との間で行われる双方向でコミュニケーションといった意味で用いられます。
さて、大まかなイメージができたところで、ISO26000でどのように記述されているか本題に入ります。
Z 26000:2012 (ISO 26000:2010)から抜粋し、キーワードを穴埋めにしたクイズ形式で確認していきましょう。
7.3.1 デューディリジェンス
「ビジネスと人権」についてまとめた記事がありますので、こちらもご参照ください。
社会的責任という背景の中でのデューディリジェンスは,組織の決定及び活動によって社会面,環境面及び経済面に引き起こされる現実の及び潜在的な( )の影響を回避し軽減する目的で,これらの影響を特定する包括的で先行的かつ積極的なプロセスである。
他者が( )その他の侵害の原因であることが判明し,その組織がそれに関わっているかもしれない場合には,他者の行動に影響力を及ぼすことも,デューディリジェンスに含まれるかもしれない。
あらゆるデューディリジェンスのプロセスにおいて,組織は,その組織が活動を行う国の背景,自らの活動が及ぼす潜在的及び現実の影響,並びにその活動がその組織の活動と深く関わっている他の事業体又は個人の行動によってマイナスの結果が生じる可能性を考慮すべきである。
5.3.3 ステークホルダーエンゲージメント
「コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コード」についてまとめた記事の中にステークホルダーとの関わりについても説明していますので、こちらもご参照ください。
ステークホルダーエンゲージメントには,その組織と一人又は一組以上のステークホルダーとの間の( )が必要である。
ステークホルダーエンゲージメントは,自らの決定に関し,情報に基づいた根拠を提供することによって,その組織の( )の取組みを助ける。
ステークホルダーエンゲージメントは様々な形態を取り得る。
組織の側から開始することもあれば,一人又は一組以上のステークホルダーへの組織からの応答として開始されることもある。非公式な会合又は公式な会合の形で行うこともできる。
活動の形式としては,個人的な会合,会議,ワークショップ,公聴会,円卓会議,諮問委員会,定期的かつ組織的な情報提供・諮問手続,団体交渉,インターネット上の討論会など,様々なものが考えられる。
ステークホルダーエンゲージメントは,相互作用的であるべきであり,ステークホルダーの意見を聞く機会を設けることを目的としている。その本質的な特徴は,( )のコミュニケーションを必要とすることである。
これらの言葉はCSR検定では重要ですが、経済や投資面でも知っていると役に立つと思います。
しっかりと押さえておきましょう!
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