こんにちは!
今回は日本のCSRということで、日本で昔から伝わるCSRに通ずる哲学やこれまでの日本のCSRの歴史についてまとめました。
古くは江戸時代の商人も持っていた精神で、自らの利益のみを追求するのではなく、買い手や社会的にも貢献するといった考え方をもち、社会からの信用を得ていたようです。
また、パナソニック創業者の松下幸之助や日本資本主義の父、渋沢栄一のような、日本を代表する経営者もCSRを意識した経営で成功しました。
続いて、CSRの歴史については、1956年の経済同友会が「経営者の社会的責任の自覚と実践」を決議したことを起点として始まったと考えられています。
そこから、様々な企業環境を取り巻く変化を通じてCSRは時代に合わせて変化しました。
ISO26000やSDGsが出来た2010年代ごろから社会的責任の定義が明確になり、今につながっています。
日本のCSRの変化や背景をしっかり確認しておきましょう。
ISO26000による「企業の社会的責任」の定義についてはコチラにまとめています。
日本のCSRの哲学
CSRという表記は2000年代から使われ始めましたので、当時はそのような言葉はありませんでしたが、今のCSRに通じる考え方は在ったようです。
ここで、江戸時代に商人が持っていた考え方や、パナソニックの創設者「松下幸之助」や新一万円札の顔に選ばれた日本資本主義の父「渋沢栄一」の著者やその内容を以下にまとめています。
CSR検定3級に出題される範囲ですのでしっかり確認しておきましょう。
三方よし
自らの利益を追求するだけでなく、買い手であるお客さんはもちろんのこと、世の中にも貢献するといった精神を意味します。
「買い手よし、売り手よし、世間よし」をモットーとすることで社会からの信用を得ていました。
商人の教え
実の商人は先も立ち、我も立つことを思うなりーーーとは
お客様を立てることが先で、己は最後に立つようにすることを意味し、三方よしの思想と通じる考え方であり、日本のCSRの原点ともいえる精神と言えるでしょう。
水道哲学
本当の経営を水道水に例えた哲学です。通りすがりの人が水道水を飲んだとしても、水を盗ったことは咎めないのはその量が豊富にあるからだとしています。
すなわち、”よいもの”を水道水のようにたくさん作り、安い価格で提供することが松下幸之助の基本理念であるといえます。
論語と算盤
「論語」とは、人間性、道徳を、「算盤」とは、利益を意味します。
すなわち、社会のためになる道徳に基づき、資本主義の利益主義一辺倒にならず、バランスをとることで経済活動を長く続けることが大切であると論じています。
日本のCSRの歴史
続いて、現代の日本のCSRの歴史について振り返ってみましょう。
1956年の経済同友会が「経営者の社会的責任の自覚と実践」を決議したことを起点に、1960年代から1990年代まで、企業は利益至上主義における産業公害や粉飾決算などの企業不祥事、企業倫理問題などへの対応の中で日本のCSRは形成されてきました。
1980年代に米国から慈善活動を意味する「フィランソロピー」や文化・芸術活動を支援することを意味する「メセナ活動」といった概念が導入されました。
ですので、CSRとは寄付活動や植林活動など、本業に基づかない慈善活動であると考える人が多かったそうです。
2000年代に入り、CSR(社会の企業的責任)という言葉が導入され、2010年にISO26000をはじめとする世界的にもいろいろな規格などがつくられ、現在のCSRが形作られました。
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